Inflammatory fibroid polyp(以下,IFP)が疑われ, 術前診断で IFPとの鑑別に苦慮した横行結腸脂肪腫 の1例を経験したので文献的考察を加え報告する. 症 例 症例:76歳,女性. 主訴:下腹部痛,軟便. 既往歴:1999年,子宮筋腫で子宮摘出術. 家族歴:特記すべき事項なし. 現病歴:2010年12月初旬より下痢,下腹部痛が出現 し,その後軟便が持続するため当院受診.大腸内視鏡 検査で横行結腸腫瘍を指摘され精査加療目的に当科紹 介となった. 家族歴:特記すべき事項なし. 現症:身長152.2cm,体重53.1kg,眼球結膜に貧血・ 黄疸を認めず.腹部は平坦・軟で腫瘤を触知しなかった. 入院時血液検査所見:血液一般,生化学検査で異常 を認めず,腫瘍マーカーはCEA:2.4ng/ml,CA199:7.4U/mlであり正常範囲内であった. 大腸内視鏡検査:横行...